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床屋かパーマ屋か

ママさんの髪がずいぶん伸びた。80を過ぎたばあさんでも髪は伸びる。どこで切ったらいいのか、モモンガはこれをいつも悩んでいる。ママさんが住んでいるのはそれなりの都市だ。駅前には美容院がたくさんある。でも、おしゃれな美容院は敷居が高い。昔ながらの美容院、言葉を変えればパーマ屋、―子供の頃はそう呼んでいた―がいいんだけどな。どこかにないかな。

以前はあった。住居と店舗が一緒になったようなパーマ屋さん。おばさんがやっていて、店内には女性週刊誌とテレビ、それに、パーマをかけるときにかぶるおかまみたいな器械もあった。しかし気がつくと、そういうパーマ屋はすっかりなくなっている。さて、どうしよう。。。

初めに何度か連れて行ったのは、最近駅前で見かけるようになった1000円の床屋だ。券売機に1000円札を入れてチケットを買い、カットだけしてもらう。切った髪は掃除機のノズルみたいなので吸い取る。かかる時間は10分程度。とっても便利だ。ただ、髪は洗ってもらえない。髪も洗ってくれるところがいいんだけどな。

ある時トラ吉が言った。「オレが行ってる床屋は?」

そうか!その手があった!床屋は男性が行くものと思い込んでいたが、床屋なら年寄りを連れて行っても浮くことはない。さっそくママさんを連れて近所のグンマ理容室(仮名です)に行った。ここは昔ながらの床屋で、おじさんとおばさんがやっている。店舗の奥は住居になっている、ほんとに昔ながらのスタイルだ。床屋は髪を切ってくれるだけでなく、洗ってもくれる。ママさんはもうデイケア以外では髪を洗わないので、洗髪までしてもらえるとホント助かる。

この店のいいところは、おばさんがあれこれ世間話をしてくれることだ。ママさんが同じ話を繰り返しても、いやなそぶりは全く見せずにそれにつきあってくれる。店内には鉢植えの花が咲き誇り、ママさんはご機嫌だ。「きれいね~」とか、「これは何色の花が咲くのかしら?」って、髪を切ってもらいながらおばさんに話しかけている。

モモンガはその間にスーパーで買い物を済ませ、戻ってきてからも週刊誌をぱらぱらめくって待つ。髪を切ってもらい、洗髪してもらい、世間話をしてもらい、きれいな花を見せてもらって、〆て3000円だ。これは、安い!

カットの腕も1000円床屋よりはるかによく、髪も洗ってくれて、世間話にもつきあってくれる床屋さん。いい店は、自分たちのすぐ近くにあるということを改めて知った。高齢社会に入った日本。美容院や床屋だけでなく、年寄りも利用しやすい店がもっと増えるといいなとも思った。

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