ママさんが消えた!
暮れも押し迫った30日。大掃除の後、いつものようにいつものスーパーへ行っていつもの買い物をした。食材やトイレットペーパー、洗濯洗剤に加えて、もうすぐお正月だし特別に切花も買った。そしていつものようにいつもの道を辿って家路についた。ママさんもトコトコついてくる。モモンガはここですっかり安心してしまった。それがいけなかった。
一足先に家に着いたが、ママさんが来ない。ママさんは歩くの遅いからな~と思い、しばらく待ったが来ない。曲がり角のところまで戻ってみたが、ママさんの姿はどこにもない。
うそでしょ。だってさっきまでついてきてたのに。まだ遠くまで行っていないはず。あわてて来た道を戻る。曲がり角のたびにあたりを見回すが、ママさんの姿はない。トイレットペーパー12ロールと切花を持って、一体どこへ行ってしまったのか。
もしかしてもう家に帰っているかも、と思い、ひとまず戻ってみる。。。。まだ帰っていない。徒歩で探すのは大変だ。そうだ、自転車が物置にあった。自転車に乗るのは何年ぶりだろう。引っ張り出して乗ってみる。サドルがちょっと高いけど、調整してる時間がもったいない。えいやっと漕ぎ出した。
あれっ? へんな音が。あ~っ! タイヤの空気が抜けている! しかも両輪とも。どうしよう。。。でも、徒歩で探すよりは早いはず。ええい、このままでいいや。力をこめて、自転車を漕ぎ出す。範囲を広げて走ったが、ママさんの姿は見えない。
もしかしてもう家に帰っているかも、と思い、また戻ってみる。。。。まだ帰っていない。ちょっと~勘弁してよ~。一体どこへ行っちゃったんだろう。また自転車を漕ぎ出す。さっきよりさらに範囲を広げて走ったが、ママさんの姿は見えない。
また家に戻ってみる。。。。いない。自転車の音があやしくなってきたので、今度は小走りでまた町内を探し回る。。。。いない。あぁ~モモンガがバカだった。曲がり角ではちゃんとついてきているかどうか確認するべきだった。そうこうしている間にどんどん日が暮れてきた。まずい! 日没後のママさんはますます方向感覚が狂うのだ。ああ、神様お願い。助けて。モモンガはもう半泣きだった。いよいよ警察のお世話になるしか。。。と思ったが、携帯を取り出し、念のため家に電話してみた。RRRRR。呼び出し音がしている。
「はい」 あ~っ! ママさんが電話に出た!
「もしもし、ママさん? あたし。あたしだよ。一体どこに行ってたの? 今、ママさんのこと探し回ってるんだよ」
「えっ?」
「ママさん、あたし。あたしだよ~。わかんないの?」 ほとんどオレオレ詐欺である。
「声だけじゃ、どなたかわかりません。おほほ。。。」
「ママさん! モモンガだよ!(怒)」
「えっ? モモンガちゃん? 今、お使いから帰ってきたところ」 何言ってるんだよ。とにかくすぐ行くから動かずに待ってろと言って電話を切った。ああ、よかった。無事に戻っていて。
家のすぐ近くまで来たら、イワテさん(仮名です)のおばさんが近所のおばさんと立ち話をしていて、「今、おかあさんのこと探してたでしょ?」と聞く。「こちらのトチギさん(仮名です)がママさんのこと連れて帰ってきてくれたのよ」
えっ?! 話によると、ママさんが家とは反対方向に向かって歩いているから、トチギさんが声をかけたんだって。そしたら、娘が先を歩いているから追いつかなきゃってママさんが答えたそうだ。トチギさんは、いつもモモンガとママさんが買い物に行っているのを見ているから、変だな~と思ってしばらくあとをついていったんだって。そしたらママさんが通行人に道を尋ねているようだったから、その人に「今、道を聞かれました?」って聞いてくれたんだって。そのとおりだったので、トチギさんは機転を利かせて「今、娘さんの携帯に電話したら、先に家に帰っているから早く帰ってきてって言ってたよ」って言ってくれて、ママさんを家まで送り届けてくれたんだって。
ああ、ありがとうございます。トチギさんのおばさん、本当に感謝します。何度も頭を下げるモモンガに、おばさんは「年の終わりに人の役に立つことをしたから、来年はいいことがあるかしらね~」と言って豪快に笑った。おばさん、もちろんですよ。きっといいことがあります。
もうすぐ2008年が終わる。今年も多くの人に助けられた。モモンガもトラ吉も、感謝の気持ちでいっぱいだ。来る2009年は、すばらしきご近所さんにたくさんたくさんいいことがありますように。
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